タルホと赤塚を読んだ今年の夏休み

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稲垣足穂によるヒント

暑い暑いと思っていたが、あっという間に夏も終わった。

今年の夏は「そうだ、稲垣足穂を読もう!」と意気込んだが、少年もの、飛行機ものが思ってたより難解でついていけない。この私が本を読めずにギブアップしたなんてそうそうないですよ。

それでもわずかに短めのエッセイでおもしろいところを拾った。

  • ものは少ない方が良い
  • 持ってる本は広辞苑一冊しかない
  • 常時10冊程度の本しかない
  • 火事にあっても失って困るものはない。むしろいったん全部燃えてくれた方が良いくらいだ

赤塚不二夫によるヒント

そして赤塚不二夫のエッセイに行き着く。

これは元々「お金本」と言うアンソロジーで、石森正太郎の漫画エッセイを読んで、その中に描かれる赤塚不二夫がスマートで、落ち着いているので興味を持った。

ちなみにその漫画エッセイで描かれて石森正太郎はマキシマリストで、目新しいもの、興味を引くものを片っ端から手に入れるので四畳半の部屋は汚部屋となっている。

「いま来たこの道帰りゃんせ」

「いま来たこの道帰りゃんせ」と言う本は、新聞社の依頼による連載が元になっている。

まずタイトルが秀逸。

苦労してたどり着いた目的地が目的ではなく、たどるプロセスを楽しむのが、ばかばかしくてもそれが人生ということ。

そして赤塚不二夫の文章がとても知的なことに驚いた。

彼は中国残留孤児で、過酷な引き揚げを経験しているが、淡々と語る。

赤塚漫画のメインキャラクターのお巡りさんとコソ泥を、善人同士だと言う。

コソ泥は底が浅く悪事もすぐバレてしまう点で善人なのだと言う。それを取り締まるお巡りさんも、権力の末端で同じように赤塚不二夫にとってはかわいく思える存在なのだ。

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