もうこれで充分
ノンデュアリティについての本はたいてい難解ですが、この本はいろいろ納得できるので、良いです。
ノンデュアリティの分かりにくさについては、あらかじめ断り書きがされているので、過度の期待のしようがありません。
本を読んでわかるものでは無い、こう考えたら楽になれるものではない。
頭とか言葉とか思考では説明できない世界を、よく説明していると思いました。
とくにQ&Aは秀逸。
私が質問しそうなことがとことん出てくる。
それを読んでいると分かった気になる。
ですます調で、まるでお寺でお坊さんのありがたいお話を聞いているみたいな読書体験でした。
軽くなって良いのだ
人間関係とか、仕事とか、お金とか、老化とか、病気とか、死とか、いろいろまるっと、楽になっても良いのだな。
修行とか、勉強とかを長年した人しか幸せになれない世界って、よく考えたら変だもんね。
世の中にはすでに、いろんな考え方、メッセージが発信されているが、これはあらゆる人が幸せになれるためであって、どれが正しい唯一の教えというものはなく、その時その時受け取れるものを受け取れば良い、ということなのだ。
修行や勉強は人として必須のことではなく趣味のひとつであって、人の幸せというか安心感というか、そういう不可欠なものは何もせず得られるのでないとおかしいので、つまりもう実は誰もがもう得ている、触れていれることなのだという。
理由をくっつけない
私が思考でよくやってきたのは後悔するということ。
「あの時こうせずああしていれば」という身のちぎれるような思い。
ちょっとの選択の違いで今の自分がこんなにも苦しんでいるという悔しい気持ち。
過去には戻れないということを受け入れないといけないと思いつつ納得がいかなかった。
この後悔の気持ちをこの本式にざっと説明するなら、「◯◯したから△△になった」というように原因と結果を結びつけるのが違っていて、◯◯も△△も別個にあって、関係していなくて、自分が勝手に結びつけているだけで、しかもそれぞれその時一瞬で消え去っていて、今はもう関係のないことなのに、思考の中でくっつけていつまでも味わっているだけのものだ、というこんな感じかな。
思考も、記憶も、判断も、人を重くするもの。なくて良いもの。
でも本の中で何度も出てくるけれど、「こういう考え方をしたら楽になる」というところにとどまっているなら思考の中にいるに過ぎないので、日々事実を味わうという実践は必要だという。
でも目指す先は「軽さ」であれば、ミニマリストとしては一石二鳥ではないか。