普遍的な悩み
「お金本」というアンソロジーを読みました。
昔の小説家などの金の工面に汲々としている様子に、時代を感じると同時に、今と大して変わらない心の持ち様もあり、リアルなのでおもしろい面がありつつ、うんざりしてしまう面もあるのでした。
結論:私は今のこの時代に生きてよかったよ。
ひょっこりたけしの言葉
それで、期待もせず目に入ってきた北野武の言葉が、案外私の役に立ったのでちょっと驚く。
お金というより人付き合いのお話。
友情は金で買えないとはよく言われるが、その意味がわかっている人は少ないという。
「おまえが困ったら必ず俺が助ける。俺が困ったらおまえが助けてくれ。俺たち友達だよな」というのはたけしに言わせれば保険の一種なのだという。しかしたった2人だけで保険を掛けても、掛け金は平等に降りない。どっちかが損をする。
友達が3人とか5人とか10人いても同じことだ。
例えば2000人とか2万人とか、数がないと成り立たないのが保険なのだ。
だれかと友達になるということは、最初から損をする覚悟でいるべきで、かつ相手に迷惑をかけることになるという覚悟もいる。
「おまえが困ったら俺はいつでも助けるが、俺が困ったら俺は絶対にお前の前には現れない」
と言い切れることこそ、単なる保険ではない友情と言えるものだというのだ。
本当の友情がどういうものか今ごろわかった
この一文を読んで、積年のもやもやが一掃しました。
人付き合いに関して、私はずっともやもやしていたのだということにも気付きました。
私の場合は、こんな不平等保険にしばられるだけの友達なんて、やっぱりいなくて良いし、無理矢理作るものじゃなかったんだな。
もう友達付き合いは卒業?
現在は近所や職場や学生時代からの友達付き合いがとんと無くなっているから平和な日々である。
友達についてのストレスとはもう無縁だと思うのだが、待てよ、いまはSNSというものがあるぞ。
会ったこともない方々でも、投稿内容を見るだけでも人となりはそれなりに伝わり、さらには親しげに反応してもらえたりするとやっぱり嬉しくなる。
するとお返しくらいはするべきかとまたもや、もやもやに絡め取られるのではないか。
ちょっと注意しよう。