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ちっさいことで食べていけた
杉浦日向子についてのムックを読んで、江戸時代のライフスタイルについて改めて考えた。
江戸時代の豊かさは、武士が人口の半分もいたことからくるものである。
彼らは藩から給料をもらうサラリーマンで、何も生産せず消費する一方であったので、武士以外の人にしてみれば、作ればなんでも需要がある。何でもすぐに仕事になる。
だから、水汲みとか、古紙集めとか、小さいことで、しかも何かひとつの仕事だけで充分食べていけた。
朝は水汲み、昼は古紙集めなど、忙しく掛け持ちをしたりしない。
2日くらい働けばその月の家賃分はもう稼げた。
店でもなければ税金もかからず、稼いだら稼いだ分使えた。
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家は寝るだけの場所
庶民の住まいはほとんど賃貸。
キッチンもバスルームもないけれど、食事は屋台、入浴は銭湯で、安価に満たせた。
着る物は一生で5〜6着
家財は極力持たない。
江戸の町は火事が多かったので、避難は風呂敷包みひとつ持って逃げる。
着る物は一生で5〜6着って、もう単位からして違う。
色は黒っぽいものばかり。
今はものが安すぎる
家財道具などあらゆるものがオーダーメイドで、店には過剰な在庫がない。
値段は恐ろしく高い。
今1万円で買えるようなものなら100万。
だから庶民はものをあまり持っていない。
今の時代に生きていても、もしこれが2桁高くても買うだろうか?と考えればものを増やさずに済むかもしれない。
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上方よりも断然江戸
杉浦日向子は単に昔が好きというより、江戸時代だからおもしろいと思っていた。
同じ300年前でも、上方は歴史があり過ぎて堅苦しいと好まないのだ。