「ある行旅死亡人の物語」武田惇志・伊藤亜衣著を読んだ

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こうりょしぼうにんの物語

昨年夏、新聞広告で知ったこの本。

SNSで自分をプロモーションするという今の生き方とは正反対に、全くの無名でひっそりと生きて死んだ人がいた。

40年近く借りていたアパートの自室内で亡くなっていたのに、住民票も戸籍もなかったので、行き倒れと同じ扱いになってしまった。

ただ、部屋の中に多額の現金が残されていたので、弁護士に管理されることとなり、事件(?)は片付かないままでいた。

新聞記者二人の奔走により、警察も弁護士も探偵も付きとめられなかったことを突き止めたが、まだなお謎は残る。

ひっそりと生きる

今の日本でどこの誰とも知られず生きていられた人がいたのかと、この本に惹きつけられました。

家賃は手渡し。

保険証がなくても受けられる歯科にかかっていた。

残されていたぬいぐるみは子ども代わりか。

身を隠すようにしてひっそりと生きる理由が何だったのか分かりませんが、ほっとかれても生きていけるって、それだけ健康で自立しているということで、そういう生き方も余計な干渉を受けることなく自由に選べると豊かですね。

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