「北斎と応為」キャサリン・ゴヴィエ著を読んで…人生がリアルになると悩みは拡大される

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葛飾北斎の娘・応為についてまだまだこだわり中

カナダの小説家・キャサリン・ゴヴィエによる「北斎と応為」を読みました。

応為は子供もなく、炊事・裁縫もせず、絵を描くことだけをしてきた単純な人生のはずだったのに、キャサリン・ゴヴィエの描くところによれば、応為は時代の変化に翻弄され、悩みつつ生き抜いて人生の重圧感が上下巻にぎっしりとすごいです。

現代の暮らしから見れば、江戸時代の庶民には所得税もないし、SNS疲れもなくて、お気楽に暮らしてたのではないかと思ってしまうのですが、等身大でその時代に入り込んでみるとそうでもなさそう。

政府による出版の規制が厳しくて、絵描きはすぐにつかまって厳重に罰せられたり、そもそも女性は人間として扱われていないので収入を得るすべも限られ、さらに生きていくのが苦しかったりします。

しまいには応為暗殺説も出てきて、穏やかでないです。

モノが少ないから引越ししやすいのは鉄板

人生の重圧がすごすぎて、ミニマルライフを謳歌しているという感じはないのですが、キャサリン・ゴヴィエ版でも、持たない暮らしをしている北斎と応為です。

「ものがないから引越しが楽だぜ!」とあっけらかんとしている北斎です。

ちょういちょい江戸を抜け出して、地方の暮らしを楽しんでは、また舞い戻ってきます。

もうドラマにもなっていた

キャサリン・ゴヴィエ版では、シーボルトも、広重も、歌麿も、式亭三馬も出てきます。

それにしても、応為がじわじわと注目されていたとは知りませんでした!

キャサリン・ゴヴィエの小説が日本で出たは2014年。

2017年には宮崎あおい主演でドラマにもなっていたんですね。

\折々の私信はこちら/

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